恐怖の感情と腎虚について
七つの感情が体に及ぼす影響 ~ 東洋医学の知恵
東洋医学では、過度な感情の変化が体調不良の原因になると考えられています。
特に「七情」と呼ばれる7つの感情、すなわち怒り・喜び・思慮・悲しみ・憂い・恐れ・驚きが、五臓(肝・心・脾・肺・腎)に悪影響を与えるとされているのです。
今回は特に「恐れ」の感情と腎臓の関係に注目します。
恐怖や驚きの感情は腎の機能を低下させる「腎虚」という状態を引き起こすと考えられています。
腎虚になると、ちょっとした緊張でも胸がドキドキしたり、物事を恐れやすくなったりします。また、長期的なストレスや緊張が続くと、さらに腎虚が進行する可能性があります。
恐れ過ぎると、腎気が上手く止まらない(腎気不固・じんきふこ)状態になり、気が下に漏れてしまい二便(にべん・小便と大便のこと)の失禁が起こります。
極端な例では、強い恐怖や驚きによって一晩で白髪になることも腎の働きに影響があるためのようです。
日常生活では、「火事になったらどうしよう」「病気になったらどうしよう」といった心配事は誰にでもあります。
東洋医学の観点からは、このような過度の心配や恐れが腎虚を引き起こし、さらなる不安を生む悪循環に陥る可能性があります。
健康的な生活を送るためには、適度なリラックスを心がけ、過度の緊張や恐れを避けることが大切です。心配事があるときは、深呼吸をしたり、軽い運動をしたりして気分転換を図ることをおすすめします。
東洋医学の知恵を生かし、心と体のバランスを整えることで、より健康的な毎日を過ごせるようになります。