最近、病後の食事相談を受けることがあり、自分の家族の健康についても考えさせられる出来事がありました。病中、病後や胃腸の弱い方、食事の支度が面倒という方の栄養補給は何が良いか色々調べていました。
一番手軽なのはやはりスープではないかと思います。特に鶏の骨付き肉には造血作用があります。これを※似類補類(にるいほるい)といいます。鶏肉は薬膳では、気血を補い体を温め、胃腸の働きを助ける働きがあるものです。今回はそんな鶏肉を使った基本のスープストックをご紹介します。このスープストックをベースとして季節の野菜を煮込めば、手軽に野菜スープが出来上がります。野菜スープは豊富な多糖類(水溶性食物繊維)を含み、免疫力を高める働きがあります。また体の酸化を抑えるファイトケミカルも豊富です。ですからさまざまな病気の予防効果もあります。さらにポタージュにすることで、介護食や病後の養生食としても活用できます。体に染み込む優しいスープです。今回は洋風と中華風の二種類を作ってみました。ベースとなるお肉、野菜は重なるものが多いので、一度に作り置きしておくと活用範囲が広がります。
【お野菜とお肉の準備】
【煮あがったザルにあげたところ】
【保存袋に入れて冷凍保存します】
【中華バージョン】
【中華スープ】
ワンポイントアドバイス
※似類補類(にるいほるい)って何?
薬膳の考えに「似類補類(にるいほるい)」というのががあります。これは形や機能が似たものは、それと同じ部分を補うという考え方です。それによると、骨付き肉は血を作ります。というのも、血液の材料となるたんぱく質や、赤血球の主要な成分であるヘム鉄などの栄養分がスープに溶け出しているからです。他には、「豆類は形の似ている腎を補い、クルミは脳の機能を高める」とも言われています。確かにクルミは脳に似ていますね。クルミに含まれるオメガ3脂肪酸には血管を正常に保つ働きがあります。こんな風に昔から言い伝えられてきたことが現代の科学で証明されてゆくのは面白いと思います。