四季と寄り添う〜漢方的生活No.10霜月
そろそろ木枯らしが吹き始めましたね。
立冬を迎え、冬の気が立ちますと「寒」の季節が参ります。冬の寒さの間、植物は種や根に栄養を蓄え、春の到来をじっと待ち、新陳代謝を落とした動物は冬眠に入り静かに過ごします。自然界は静かに冬の時を過ごすのです。
本来、静かに過ごすべき季節に、私たちヒトは忙しく働きますが、するべき養生をしなければ、病気の治りは悪く、回復に時間がかかります。冬に風邪をひいたり、病気を患ったら、身体の温まる滋養のあるスープなどをいただき、暖かくして過ごすことが大切です。
そして五行では、冬は「腎」を養う季節です。
東洋医学では、五臓六腑の中で「生命の根源」と言われており、「精気」を貯蔵する働きがあるのが「腎」です。
ホルモンとも関係が深く、女性は七の倍数、男性は八の倍数で変化する身体の現象にもうかがえます。
腎の気が豊かになると髪は黒く骨は丈夫になります。
昔から「精がつく」といわれる食物はこの「腎精」を増やす働きのある物といえますので、この時期は積極的に摂って腎を養いましょう。
見分け方は色の黒いもの。
黒ゴマや黒豆、全粒粉の小麦、黒砂糖など生成されていない食品はミネラル分が多いため、帰経(体のどこに働くか)は腎に入るものが多いのです。その他、牡蠣や海苔などの海産物も腎の栄養です。
思えば、ひ弱で髪が赤茶色だった幼少の頃、祖母に黒ゴマと海苔を毎日食べさせられていました。
おばあちゃんの愛だったのですね…。
株式会社プロアクティブの情報コラム2014年11月号への寄稿より
https://column.ima-coco.jp/category/kanpo/
腎の滋養に牡蠣の保存食を
水洗いした生牡蠣を強火にかけ、水が出てきたらニンニク(すりおろし)、醤油、塩、粗挽きコショウを入れ、水分がなくなるまで炒り煮をします。(ハーブやオイスターソースはお好みで)
熱湯消毒をした瓶に牡蠣を移し、オリーブ油を牡蠣が完全にかぶるまで注ぎ、月桂樹を入れ、蓋をして保存しましょう。
そのままでも食べられますが、パスタにあえたりいろいろ活用できます。
女性は7の倍数、男性は8の倍数で 変化する身体の現象
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