四季と寄り添う〜漢方的生活 No.9神無月
秋は待ちに待った実りの季節。黄金色の稲穂がたわわに実る風景は、神多き日本の里の原風景ですよね。
子供の頃、きらきらと夕日に照らされた田んぼをいつまでも見つめていたことを思い出します。
そんな十月は風がちょっと肌寒く感じられるようになり、外邪(がいじゃ)から体を防衛するバリアエネルギーの弱い方はすぐに風邪(ふうじゃ)をうけてしまいます。
特に首回りには「風邪(ふうじゃ)が侵入する門」といわれる「風門(ふうもん)」や、風邪(ふうじゃ)の邪気が溜まる「風池(ふうち)」というツボがあります。
風門は同時に、「風邪(ふうじゃ)を防ぐ場所」でもありますので、ストールを一枚持ち歩くだけで大半の風邪(かぜ)は防げるということです。
ストールを巻いてもまだ身体が不快であれば、さらに邪が侵入している可能性があります。
外出先であれば、風門のあたりに使い捨てカイロを貼るのもよいですね。
それでも不快がとれなければ、いよいよ風邪(かぜ)のひき始めの状態です。
風邪とは、風邪症候群のことで、本来治す薬はありません。
病院から出される西洋薬は、症状を抑える対症療法薬です。
自然治癒力に沿った治し方では、初期の風邪は体表を守る皮膚から侵入した直後と捉えて、発汗により外に追い出すようにします。
くしゃみが出たら暖かいスープや生姜湯などで、軽く汗が出るくらい身体を温めましょう。
このような時に解熱剤入りの「総合感冒薬」などを服用してしまうと、体温が上がらず免疫が働かないため、風邪をこじらせる原因になりますので、気をつけてください。
また、1年に1回ぐらい熱の出る風邪を引いた方が免疫力がついて健康に良い、という捉え方もあります。
発熱できるのは体力があるお蔭なのです。
風邪の症状が激しかったり、長引く方には漢方薬をお勧めします。
免疫力を上げて治癒力を高める働きがありますよ。
株式会社プロアクティブの情報コラム2014年10月号への寄稿より
https://column.ima-coco.jp/category/kanpo/
ユリ根の茶巾絞り
材料:
●ユリ根 正味200g(約2個分)
●砂糖 60g(水100ccに溶かす)
●白こしあん 50g
●ゆずの皮 少々(細切り)
作り方:
①ユリ根を1片ずつバラバラにしてよく水洗いし、汚れや変色(黒色や紫色)しているところは包丁やピーラーで取っておきます。
②2〜3分、固めに下ゆでして、すり鉢で擦り、水100ccに砂糖を溶かした液と白あんを加え、よく練り上げます。(時間があれば裏ごし)
③適当な大きさに布巾で包み、茶巾絞りにし、ゆずの皮の細切りを飾ります。
★ユリ根は肺を潤す代表的な食べ物です。肺が弱ると風邪をひきやすくなりますので、この時期に時々食べると良いですよ。