生薬講座 ①決明子(けつめいし)
決明子はマメ科のヱビスグサの種子。
ヱビスグサは北アメリカが原産とされ日本には江戸時代に渡来しました。
異国から来たということで「夷(えびす)草」と名付けられたと言われております。
ヱビスグサは中国では決明といい、その種子を決明子と呼びます。
「明」を決(ひら)くという意味で決明子には視力を増す効果があるとされています。
その他に便秘、高血圧、不眠症の解消、整腸、利尿作用などの効果が見られます。
便秘傾向の方には向いていますが、胃腸が弱く下痢しやすい方には向いていないので注意して使いましょう。
中薬学によると、決明子の性質は「微寒」とあり、やや体を冷やす生薬として分類されております。決明子に手をかざすと、ひんやりとした感触が伝わってきます。
主な使い方
お茶
1日量10gと水600mlを入れ最初強火で沸かし、沸いたら弱火にして400ml位に煮詰めます。
土瓶やホーローなどのやかんを使い鉄瓶は避けて下さい。
臭いの気になる方は、フライパンで香りよく炒めて「焙じはぶ茶」として飲んでも良いでしょう。味・香りだけでなく効き方もやわらかくなりますので、普段のお茶としてお飲みいただけます。
アイピロー
決明子の清涼感と程よい重量感を活かして、アイピローを手作りできます。
ガーゼなどを袋にして、決明子を入れます。
決明子がこぼれないように閉じたら、まぶたの上にのせてみましょう。
パソコン・スマホや読書などで疲れた目をほどよくクールダウンして癒してくれますよ。
日本には古く先人たちからの言い伝えにより利用されてきた薬草、いわゆる民間薬が多くあります。民間薬はお茶として飲んだり、お酒に漬け込んで薬用酒として飲んだり、また浴剤や湿布剤として使われてきました。
昔から使われてきた民間薬の効能や使い方をお伝えしていきたいと思います。 国際中医師/薬剤師 金 慶齢 |