Vol.4 人体をとりまくエネルギーの層
▼「病は気から」
良くこの言葉を耳にしますよね。
江戸時代、後藤艮山(ごとうこんざん)という人が「百病は一気の留滞により生ずる」と主張しました。
治療の根本を「順気(じゅんき:気を巡らすこと)」において実践した漢方医です。
東洋医学では、経絡(けいらく)を気が巡行しているといわれています。
経絡とは気・血・津液が運行する通路のことで、全身のあらゆるところに分布し、各部の間を密接に行き来することで全身の機能を維持しています。
経絡系は下図の肉体に一番近いところに存在しますが、経絡そのものは体表から皮膚のちょっと下にも及んでいるようです。主な経絡は12本あり、経絡の交差点としての経穴(ツボのこと)があります。経絡上の気の流れが滞ると不調が起こり、針や灸で経穴を刺激してバランスを調整します。
経絡は鍼灸学で用いられますが、漢方薬では生薬の薬性としてどの臓腑へ作用するかを用います。
▼人体をとりまくエネルギーの層とその特徴
目には見えませんが、図のように人体を取り巻くエネルギーは何層にもなっています。このエネルギーの層は人体から遠ざかるほど微細で周波数が高くなります。
逆に人体に近いほど物質の速度で振動しますので低周波に、遠くなるほど光の周波数に近くなるので高周波になります。また、低周波であるほど物質的な問題を引き起こしますので肉体的な不調・怪我などを反映します。周波数が高くなるほど精神的な問題を反映していきます。
人の精神活動と関係するのはメンタル体と呼ばれる周波数帯です。メンタル体は、楽しいことや喜ばしいことが多くなるとこのエネルギーは増加し膨らみ、逆にマイナスの感情(過去の出来事、将来への不安や心配、他人との比較、思い通りにいかないこと、毎日の慌ただしさ、嫉妬心や妬み、イライラなど)によってエネルギーが減少(無駄遣い)します。
しぼんだエネルギー層はエネルギーの流れが歪んだり揺らいだりするため、その不安定なエネルギーの流れが下層へと伝わり、経絡系にまで影響を及ぼすと人体の気の巡りが滞り、肉体に具体的な不調が起こり始めます。
図で示すように身体の症状を軽減するものが物質であると考えると西洋医学の化学薬品ですが、不調の原因がより上層のエネルギーの不調和である場合は、その原因となるエネルギーの過不足を調整することで、原因を根本から断つことができます。
肉体に一番近い気のエネルギーの流れを改善する方法としては経絡系に働きかける漢方薬と針治療といわれており、その作用は非常にパワフルであると実感します。私の経験では漢方薬は種類によってもう少し上層にまで影響しているものがあると感じます。
例えば感應丸(かんのうがん)という処方には「気」の滞りを流す成分(麝香:ジャコウ)が含まれています。麝香は、ムスクと呼ばれて西洋でも香水の原料になっています。
古く、中国の書物「本草綱目」には、麝香は悪気を避け、幽霊やもののけを消し去る働きがあると書かれています。この麝香を枕元に置いて寝ると、夢を見て飛び起きたり、悪夢にうなされないと書かれているのです
一方、医薬品などの成分を一切含まず、エネルギーのみに作用するものはレメディといわれホメオパシーとフラワーエッセンスに分類されます。これらのレメディーは身体のエネルギーを調整することで本来もっている自己治癒力を高める作用を持ちます。