Vol1.人は何故病気になるのか
何故人は病気になるのでしょう?
科学が進歩し、自分の細胞から新しい臓器を作る技術までも研究される時代になりました。寿命も延び、様々な病気の原因が解明され、良い薬がたくさんある時代なのに病人の数が一向に減らないのはなぜでしょう?
一昔前にはほとんどなかった自律神経の病は年々増加しています。
▼病気を作るネガティブエネルギー
「病は気から」といわれるように、体の不調和は気の流れが滞るところから始まります。「気」とは身体を流れる生体エネルギーのこと。
身体をとりまくエネルギーについては「人体をとりまくエネルギーの層」で詳しく述べますが、心の働きとエネルギーには密接な関係があります。
心がマイナス思考(ネガティブ)になると途端にエネルギーの層に歪みができ、経絡を流れる「気」が滞るため肉体へ影響が始まります。
例えば、何かに深く悩んだり、心配したりして、それが続くと、胃が痛くなったり、胃潰瘍になったりします。誰もが一度は経験があるはずです。精神的ショックが大きいと、一晩で髪の毛が「まっ白」になることもあります。人間の思うことは、これほどまでに自分の体(細胞)に「ダメージ」 を与えてしまいます。
しかしその一方で、余命数ヶ月と言われた人が奇跡的に回復するような事があります。
▼感情の五臓への影響
中国最古の医学書である「黄帝内経(こうていだいけい)」には人が健康で寿命をまっとうするためにはどのようにあるべきか、哲学の観点から病気を考えていました。
それによると病人を診る時には病気だけを問題にするのではなく、その人の習慣や食事、またはその人の住んでいる土地、季節など、そして感情の関わりにも着目しています。五行の図にありますが、「怒り」・「恐れ」・「悲しみ」・「喜び」・「思い(憂)」の5つの感情はそれぞれ「肝」・「腎」・「肺」・「心」・「脾」の五臓を傷つけるといわれています。
この書物に登場する名医はわかりやすい例え話で、時に患者を怒らせたり・喜ばせたり、感情に働きかける行いをすることで病気を治しています。
▼治りたくない心の働き
先天的な病気や子供の病気などの例外もありますが、多くの場合病気は自分で作っていることが多いと感じます。
心の中が悲観的、否定的になっているときは、体も悲観的、否定的になります。
心には表層意識と深層意識とがあります。表層意識は自分でも認識できる意識ですが深層意識は無意識に働いているものです。
表層意識で繰り返し考えることは深層意識ヘと浸透していきます。つまり良く考える事や思考パターンが次第に深層意識のカラーを決めているのです。
ポジティブに考え方を矯正することもある程度はプラスになりますが、それだけでは病気は治りません。
それには思考する以前に絶えず発生してる自分の感情に気付き、自分の深層意識に蓄積したネガティブな問題を発見し認めることが大切です。
▼どんな人もネガティブを抱えている
実は私たちは「この世に生まれる」というだけですでにネガティブな感情を持っています。本当は「生まれてきただけでもラッキー」なのに生まれた瞬間から実は生き延びたいという本能が働きます。
この本能から発生するエゴや嫉妬・怒り・恐怖などはあたりまえに皆が抱えるネガティブなエネルギーです。ですから、このような感情に気付いても自分を決して責めたり卑下するのではなく、自分を認めて許すという作業が必要です。「そんな感情を持ってしまうのは人間だから当たり前。」とか「あらら、そういうダメな自分も可愛いな」という風に自分を可愛がってほしいのです。
病気に罹っている方は総じて真面目でいい人が多い気がします。自分に厳しいため、心のどこかで自分を否定しているのではないでしょうか?
▼心の動きに気付きましょう
こういう話をすると「私は幸せです」「何の悩みもありません」とおっしゃる方もおります。
でも、「いい人」になろうとしてきたばかりに本当はあったはずの心の動きに鈍感になってはいませんか?
麻痺した心では気付くことすらできません。
心にしまってある感情に気付く作業が必要です。
心の底から自分を肯定することが一番大切なことだと思います。
▼感謝しましょう
心にしまってあった感情を認め許せるようになると自分のことが本当に大切に思えるようになります。生きているだけで素直に感謝の気持ちが湧いてくるようになります。
そうなると、しめたもの。せっかく生まれてきたのだから、生まれていることに感謝して自分の人生を思い切り生きてみてください。どんどんエネルギーが湧いてくるようになります。
私たちの体は60兆個の細胞からなり、1秒間に50万個の細胞が生まれ変わると言われています。約120日でほとんどの細胞が新しくなります。
日々の心の状態が新しい細胞に影響を及ぼしているのですから、自分の細胞に「ありがとう」とか「嬉しい」といった気持ちを毎日もちましょう。