五臓の働き Part4 肺の働き
五臓の働き Part4 肺の働き
漢方通信 ~漢方で健康美人になろう~ 2013.10月号
いよいよ10月、秋本番で過ごしやすい季節がやってきましたね。
今年の夏は特に暑くて汗をたくさんかいて消耗した方も多いかと思います。
ここにきて急に気温が下がり空気が乾燥してくると体の中の潤いが不足し、呼吸器系の病気を引き起こす心配があります。
そこで今月はこの季節に関係の深い臓器「肺」の働きについて考えてみましょう。
五行によると肺は呼吸作用だけでなく、皮膚を通して体を外気から守る防衛作用があります。
発熱した時には毛穴を開閉して発汗し体温調節する役割も、すべて肺が支配しているのです。また鼻や咽喉とも連結して副鼻腔や声帯も管理しています。
肺は気を生成し全身へ送る流れをコントロールしているので、その機能が弱まると、酸素の取り入れが悪くなり、喘息を引き起こしたり、皮膚が弱くなったり、老廃物の排出もうまくできなくなります。
肺の機能を高める漢方薬は、麦門冬湯(ばくもんどうとう)や補中益気湯(ほちゅうえっきとう)などが代表的です。咳が長引く。ため息が多い。など肺系のエネルギーが下がっている方は試されても良いかもしれません。
また、身近な食材でも肺の機能を高めることができます。やはり、秋に収穫される旬の食材に肺を元気にするものが多いですね。
たとえばナシや柿、ぶどうはのどを潤し肺の乾燥を防ぎます。ぎんなんや落花生は咳を鎮めます。
また、くり・ゆり根・らっきょう・キノコ類なども肺を滋養し元気にしてくれます。秋は美味しい旬の食べ物がたくさんありますが、食べ過ぎは禁物です!
腹6分目にしてくださいね。季節の食材を上手に使って健やかにすごしましょう~