生薬講座 ②蓬、艾(よもぎ)
よもぎは「キク科」ヨモギ属の多年草の植物です。日本全土の日当たりのよい山野、土手、道端などでも簡単に見つけられる、とてもなじみのある野草の一つで、独特な香りが特徴です。
漢方名では艾葉(がいよう)と呼ばれ、昔の中国の文献では病をとめる万能薬として紹介されています。
効能として、子宮をあたためて冷えを改善する働きや浄血作用、止血作用が知られています。
よもぎに含まれる成分から効能をみると・・・ 食物繊維が豊富に含まれているので、便秘の予防になります。クロロフィルは体内でヘモグロビンの生成を助けるので、造血作用を促進します。たくさんのβ―カロチンによる免疫賦活作用があります。体内でビタミンAに変換され、視力や皮膚、粘膜を守ります。さらに、血液の凝固に関わる成分の合成を促すビタミンKも含みます。
主な使い方
★食用として
春が旬です。冬を越し春になり新しく出てきた新芽を摘みます。指先で軽くつまんで切れるものを選びます。
摘んで来たら水ですすぎゴミなどを取り除きます。アクがあるので下処理をします。アク抜きの方法は、沸騰した湯に塩を入れてさっとゆで、冷水にさらしたのちすぐに絞ります。(天ぷらの場合、下処理をせずにそのまま衣をつけて揚げます)
下処理したものは、みじん切りやペースト状にして、お餅やおだんご、パン、スープに入れることができます。
下処理をしたものを冷凍して保存しておき、自然解凍して使うことも出来ます。
洗ったよもぎを天日で乾燥させ、ミルで粉にしたものをお料理に使うことも出来ます。また、乾燥したよもぎは煮だしてお茶にすることもできます。
★その他の使い方
●外用や浴剤、化粧水として
乾燥させたヨモギの葉を煮出した汁を使ったり、紙のお茶パックに入れて湯船の中でもみだして使います。
●お灸
古くからお灸の材料として使われております。