生薬講座 ⑮桂皮(ケイヒ)
ニッケイ属(Cinnamomum)の複数の樹木の内樹皮から得られる香辛料である。ニッキ(肉桂〔ニッケイ〕の音変化)とも。また、生薬として用いられるときには桂皮(ケイヒ)と呼ばれます。特徴的な芳香成分はシンナムアルデヒド、オイゲノール、サフロールなどです。
〇シンナムアルデヒドは血管を保護し健康な状態に維持してくれます。
〇オイゲノール、サフロールなどのポリフェノールは強い抗酸化作用を持ち、体を若々しく保つ効果があると言われています。
〇プロアントンシアジニンはインスリンの分泌を促す作用と、インスリンの感受性を高める作用があり、血糖値が下がりやすくなります。
〇カリウムを多く含むのでむくみ予防に使えます。
薬効
健胃、駆風(くふう)、矯味(きょみ)、発汗、解熱、鎮痛薬として中枢神経系のこうふんを鎮静し、水分代謝を調節し、血行を盛んにし諸臓器の機能を亢進する作用があるので感冒、身体疼痛、頭痛、発熱などに使われます。漢方の処方にも使われています。
桂枝湯、桂枝加朮附湯、苓桂朮甘湯、八味地黄丸など多くの処方で使われております。またシナモンはスパイスの王様と呼ばれています。
これからの寒い季節に
コーヒーや紅茶などお茶にプラスして使うとか、デザートで果物などのコンポートに足したり、体を冷やすバナナなどにシナモンパウダー振りかけて召し上がるなど普段の食事に取り入れてみてはいかがでしょうか。
1日の使用量は3gまでにされるといいと思います。