生薬講座 ⑲黄精(おうせい)
黄精(おうせい)はユリ科カギクルマバナナルコユリなどの根茎です。日本産はナルコユリ、韓国産はナルコユリ、アマドコロの根茎の蒸して乾燥したものです。
黄精は中国の名医別録(中国で作られた「神農本草経」とほぼ同時期に作られた古典医学書)に上品と記載されております。生薬は薬効別に、上品(じょうほん)、中品(ちゅうほん)、下品(げほん)に分類されていて、上品には毒性がなく長期服用が可能な、元気を益し不老長寿のための生薬が選ばれています。
江戸時代には黄精の砂糖漬けを食しており、現在でも東北の方では黄精飴として販売しております。。現代社会では黄精の名はあまり知られていませんが、実は身近なところで使われています。ドラッグストアの棚に並んでいるユンケルやゼナフィリン、リゲインなどのドリンク剤にも使われています。
黄精の主要成分としては粘液多糖類、カルボン酸、アスパラギン酸、ニコチン酸などが含まれています。
薬効
・潤肺
・補気
・強壮作用です。
滋養強壮、疲労回復、食欲不振の解消、血糖値低下作用、血圧降下作用が期待できます。
※湿った痰の出る人、胃が極端に弱っている人、下痢をしている人は使用を避けたほうがいいです。
・女性の味方珠宝丸にも配合されています。
・桃仁堂のうるうる茶にも使われています。