生薬講座 ㉕五加参(ゴカジン)
薬効
五加参(ゴカジン)は朝鮮人参、西洋人参と同じウコギ科の仲間です。
日本では北海道のみで自生することから「蝦夷(エゾ)ウコギ」、ロシアでは命の根を意味する「エレウロテックス」アメリカではシベリア人参と呼ばれています。
中国名は「刺五加(しごか)」と言います。
「刺」は小枝にある無数のとげ、「五」はウコギの5枚の葉っぱに由来しています。五加参の薬用部分は根皮であります。
中国の薬学書「本草綱目」には精気を補い、筋骨を強壮し、意志を堅固にし、長く服用すれば身体が軽快になり、老化を防ぐと記載されています。
主成分であるエレウテロサイドEには脳下垂体から※βエンドルフィンの分泌を促進する作用があります。
βエンドルフィンはNK(ナチュラルキラー)細胞に結合し活性化させる働きがあると言われ、免疫機能を高めると考えられています。
肉体的な痛みや疲労が続くと脳下垂体からβエンドルフィンが分泌されますがエレウテロサイドEという成分はβエンドルフィンの血中濃度を上げる作用があります。
※βエンドルフィンとは
脳内の神経伝達物質の一種で鎮痛効果や気分の高揚、幸福感が得られるため脳内モルヒネとも言われて
1980年のモスクワオリンピックの時、旧ソ連の選手たちが圧倒的な強さと記録をたたき出した陰にこの五加参を服用してトレーニングをしてきたことが知られ世界的に注目を浴びました。
選手たちが肉体的疲労を抑えられ、持久力、集中力が高まり記録が伸びたという論文が発表されたからです。
現在では体力消耗の激しい中宇宙飛行士集中力、持久力が要求される宇宙飛行士の方々も使われているそうです。
服用方法としては五加参から抽出したエキスを濃縮したたものを加工した商品があるので手軽に摂取できます。
商品紹介
五加参EX(JPS製薬)
60包入り ¥9,500(税抜)
使い方
五加参酒の作り方
【材料】
五加参(エゾウコギ)100g
ホワイトリカー1リットル
甘味料…グラニュー糖100g、果糖30g
【作り方】
1.生薬は漬ける前に紙にひろげゴミなどを取り除きます。
2.よく洗った広口びん生薬を入れホワイトリカーを注ぎ日の当たらない場所で保管します。
3.漬けて10日以上たったら生薬の1~2割残し生薬をを取り除き、甘味料を加え良く溶かし日の当たらない場所で1か月保管します。
4.1か月後、”3”を濾して液体だけにして保管します。