生薬講座㉝敗醤根(おみなえし)
夏の終わりから黄色い可愛い花が咲いているのをみかけます。
おみなえしは「秋の七草」のひとつで、8~11月にかけて花を咲かせます。和名の由来は、姿がよく似ている白花のオトコエシ(男郎花)に対するオミナエシ「女郎花」で、全体にやさしい感じがするところから名付けられたとされます。
その根は漢方薬として利用されます。かわいらしい見た目とは異なり、醤油の腐敗したような匂いがあることから敗醤根(はいしょうこん)といいます。ヨクイニンなどと一緒に煎じて、急性虫垂炎などに服用されました。恩師にこの薬草について教わったときにニオイが強烈なことと、手が亀のひび割れのごとく荒れている人に良いと教わりました。
生薬名
①敗醤根(ハイショウコン)②敗醤葉(ハイショウソウ)
薬効と用途
根や全草は清熱,解毒,排膿,駆瘀血(体の血の滞りを改善する)作用があり,虫垂炎,下痢,腫れ物,産後の腹痛や子宮出血などに用います
漢方処方には,薏苡附子敗醤散などに配合される.
乾燥した根は悪臭を放つ.若芽や葉はゆでて水にさらして食用とする.秋の七草の一つとして知られています。