熱中症だけじゃない！夏の「隠れ脱水」と漢方ケア
夏の暑さが本格的になると、「熱中症」への注意喚起が盛んになりますね。もちろん熱中症対策は非常に大切ですが、実はもう一つ、夏に気をつけたいのが**「隠れ脱水」**です。
隠れ脱水とは、自覚がないまま体内の水分が不足している状態を指します。喉の渇きを感じにくい高齢の方や、汗をかきにくい冷房の効いた部屋にいる時間が長い方、またコーヒーや緑茶など利尿作用のある飲み物を多く摂る方は特に注意が必要です。体がだるい、集中力が続かない、足がつりやすいといった症状は、隠れ脱水のサインかもしれません。
水分補給の「質」が大切
隠れ脱水対策でまず大切なのは、正しい水分補給です。一度に大量の水を飲むのではなく、コップ一杯程度の水分をこまめに補給しましょう。カフェインを含むコーヒーや緑茶、アルコールなどは利尿作用があるため、水分補給のつもりで摂りすぎるとかえって脱水を招くことがあります。麦茶やほうじ茶など、カフェインを含まないものがおすすめです。スポーツドリンクも有効ですが、糖分が多いものもあるため、飲みすぎには注意が必要です。
漢方で体のバランスを整える
漢方では、夏の体の不調は「気（き）」や「津液（しんえき）」と呼ばれる体液のバランスが乱れることで起こると考えます。隠れ脱水には、失われた津液を補い、体全体の巡りを良くする漢方薬が役立つことがあります。
例えば、**「白虎加人参湯（びゃっこかにんじんとう）」**は、熱による消耗を補い、体を潤す働きが期待できます。また、胃腸の働きが弱まり、水分の吸収が悪くなっている場合は、消化機能を高める漢方薬を検討することもあります。
食材で内外からケア
日々の食事も重要な予防策です。体を冷やす夏野菜（きゅうり、なすなど）は適度に摂りつつも、冷たいものの摂りすぎには注意が必要です。生姜やネギなど、体を温める食材もバランス良く取り入れ、内臓を冷やしすぎないように心がけましょう。
隠れ脱水は、気づかないうちに体に負担をかけてしまいます。だるさや疲れが続く、なんとなく体調が優れないと感じたら、隠れ脱水を疑ってみてください。適切な水分補給と食生活、そして必要に応じて漢方を取り入れて、夏の健康を守りましょう。ご自身の体質に合ったケアについては、お気軽に桃仁堂薬局までご相談ください。
