気・血・水を知ろう~漢方の基本 Part 3~
漢方通信 ~漢方で健康美人になろう~ 2014.6月号
こんにちは!桃仁堂の伊藤です。 近所を歩いたりドライブしていると、ピンクの可愛いサツキの花が目に飛び込んで来ます♪ でも、そろそろ爽やかな皐月の季節ともお別れですね・・
夏至も近づき、だんだんと陽が延びて来ました。これからジメジメした梅雨がやって来ます。
こんなときは、ぬるめのお風呂にゆっくりつかり身体を温めてあげることで代謝がUPし、汗が出て利水が良くなるため、体が軽くなって疲れが取れます。足湯や半身浴もいいですね!
さて、今月は「気血水」の血の働きと役割について考えてみたいと思います。人体の構成成分を陰陽に分けると、気は陽(生命エネルギー)で体を温め、血と水は陰(物質)なので体を潤します。
血と水は気の力によって動かされています。そして、これらの3つの成分が滞りなく巡っていると陰陽のバランスが取れて健康でいられるという訳です。
「血」の生成と働き
西洋医学では血液は今でこそ骨髄で作られていると知られていますが、その昔、古代エジプトでは消化管で作られると考えられていました。東洋医学の古書によると、飲食物から得られた栄養分は、五臓の脾、腎、肺を経て脉中に入り、一部が紅色の営血(栄養のある血)に変化するとされています。
そして心の推動により全身に行き渡り、肝の貯蔵により調節されると記されています。
このような血の働きは全身に栄養や酸素を供給し養うこと、そして気と血は、依存し合い、共同して生命活動を支えています。血が足りていて全身に滞りなくゆき渡っている人は、顔色が良く、筋肉が充実し、皮膚や毛髪に潤いとツヤがあり、視力も良く、身体の動きが機敏で関節も丈夫でいられます。
血がトラブルを起こすと?
血の病変は、月経、妊娠、出産、更年期などのある女性に多いのが特徴ですが、男性でも喫煙習慣やストレスが多い方は、血の巡りが悪くなります。また、無理なダイエットや冷えなどでも起こります。
血虚(けっきょ) | お血(おけつ) | 血熱(けつねつ) | |
---|---|---|---|
血の病変 | 体内の血液の不足 血液の流れ方が弱い |
全身または局部に血液の流れが滞る | 血液が熱を持って炎症を起こした状態 |
主な症状 | 貧血、めまい、動悸、不眠、集中力の低下、四肢のしびれ | 頭痛、肩こり、月経痛、便秘、静脈瘤、アザが出来やすい | イライラ、のぼせ、不眠、胃のむかつき、鼻血、便秘 |
肌への影響 | 顔色が蒼白い、唇舌が白い、 乾燥肌、爪がもろくなる、髪毛がパサパサになる | にきびやクマができやすい、目の周りのシミなど あらゆるお肌のトラブル |
顔面紅潮、にきび、かゆみ、じんましん |
代表的な漢方薬 | 十全大補湯、四物湯、人参養栄湯、当帰養血精など | 桂枝茯苓丸、加味逍遥散、桃核承気湯、血府逐お丸など | 黄連解毒湯、三黄瀉心湯、茵ちん蒿湯などの清熱剤 |
おススメの食材 | ホウレンソウ、黒ゴマ、プルーン、ヒジキ、マグロの赤身、カツオ、クコの実、レバーなど | ラッキョウ、シナモン、ニラ、サフラン、黒酢、セリ、紅花、アジ、イワシなどの青魚など | ナス、セロリ、黒キクラゲ、レンコン、キンシンサイ、 山菜類、クチナシの実など |