年代別の養生法
漢方通信 ~漢方で健康美人になろう~ 2015.4月号
皆様こんにちは!だんだんと陽が延びて温かくなって来ましたね!
満開の桜も綺麗ですが、同じ頃に咲く黄色の可愛いレンギョウや白いコブシの花にも目が魅かれます。実はどちらも鼻炎に効く漢方薬として使われているのです。
さて4月からは新生活のスタートで何となく気持ちが高ぶったりウキウキ・ソワソワしてきますね。
これは陽が昇る時間が早まるに連れ交感神経が活発に亢進し、やる気ホルモンの分泌が増えてくるからです。しかし、これが多くなり過ぎると、焦りを感じたり不安感を抱くことになり、逆にやる気を無くしてしまうと副交感神経が優位になり、ウツ症状や五月病を招くことになりかねません。
このように春は「気」が変化しやすい時期なので何事も無理をせず余裕を持ってお過ごしください。
今回は、そんな不安定な「気」の状態を改善できる養生法を、年代別に分けてみました。
年代別による精神的な特徴と漢方薬
(1)児童期(12歳まで)五臓の働きは未熟で弱いが、機能は旺盛なので精神症状は治りやすい。 | |
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症状 | 泣く、甘える、情緒不安定、キレやすい、風邪を引きやすい、偏食が多い |
養生法 | 食べ物の好き嫌いをなくし胃腸の機能を整え、しっかりした身体作りをすること |
漢方薬 | 腹痛には、小建中湯、自閉症やパニック症状には抑肝散+六味丸など |
(2)思春期(20歳まで)反抗期、熱っぽい症状が出やすい、感情の起伏が激しい。生殖能力が備わる | |
症状 | 興奮しやすい、怒りっぽい、ニキビが出やすい、過食しやすい、便秘傾向 |
養生法 | 清熱しデトックスを心がける 気を巡らす食材が良い(セロリ、苦瓜、アロエなど) |
漢方薬 | 皮膚疾患の改善に柴胡清肝湯、浅い睡眠に加味帰脾湯など |
(3)青年期(30歳まで)と壮年期(45歳まで)働き盛りで筋骨充実し最盛期だが仕事のストレスが溜まり不満も多い。女性は結婚、出産、子育てにより気血の消耗と詰まりが生じている。 | |
症状 | イライラ感、憂うつ感、落ち込みやすい、不安感、不眠、貧血 |
養生法 | ストレスを溜めず趣味などで発散する 暴飲暴食を避ける 睡眠を充分にとる |
漢方薬 | 胃腸の張りに四逆散、気分の落ち込みに半夏厚朴湯など |
(4)中年期(64歳まで)比較的情緒は安定する時期だが、仕事の多忙で疲れが取れない。皮膚に潤いがなくなる。白髪が増える。女性は更年期を向えると気分が不安定になり気血不足になる。 | |
症状 | 動悸、胸騒ぎ、のぼせ、健忘のはじまり、焦燥感、乾き目、かすみ目 |
養生法 | 足腰の筋肉を鍛える メタボ対策 目に良い緑黄色野菜など多く摂る。 |
漢方薬 | 自律神経失調症に甘麦大棗湯、補腎と目の疲れに杞菊地黄丸など |
(5)高年期(65歳~)時間にゆとりができるが、老後に対する不安感が出てくる。記憶力が薄ろぐ。腎虚。肺気虚。慢性病が治りにくい。胃腸も虚弱になると少食になってくる。 | |
症状 | 足腰が弱る、頻尿、息切れ、難聴、飲み込みにくい、認知症の始まり |
養生法 | 身体を冷やさず血流を良くする事 老化防止に良い食材を摂る(クルミ、黒胡麻、山芋) |
漢方薬 | 陽気不足(冷え)に八味地黄丸、補腎に霊鹿参、健脳に能活精など |