生薬講座 ⑭山芋(サンヤク)
ヤマノイモ科のナガイモの根と茎の中間体またはヤマイモを指します。
山芋は中国が原産で、紀元前2千年前から中国では薬用として使われており、
生薬名では山薬として漢方薬にも使われております。
とろろ汁や山かけで知られている山芋は食薬と漢方薬の2つの顔を持っているということです。
自然薯、長いも、大和芋などの別名を持ち、スーパや八百屋さんでも手に入れることができます。
薬効としては滋養強壮、下痢止め、食欲増進という効果があります。
山芋の特徴であるねばねばの成分は糖とタンパク質が結合した物資です。
熱には弱い性質があります。
山芋のネバネバには次の働きがあります。
■保水性が高いので、肌の内側の水分を保つ働きがあります。
■タンパク質の吸収を促進するので、疲労回復に効果があります。
■免疫力を高め、粘膜を守ってくれるので風邪などを予防
■血糖値の上昇を抑え糖尿病を予防する効果があります。
生で食すことができる山芋には消化酵素であるアミラーゼが豊富です。
アミラーゼは糖質の加水分解を促進し消化を助けて栄養の吸収を促してくれます。
山芋に含まれるコリンは動脈硬化や高血圧の予防に効果が期待できます。
また大きな特徴として山芋にはシュウ酸カルシウムという物質が多く含まれています。
このシュウ酸カルシウムの結晶が皮膚に刺さるとかゆみの原因になります。
水で洗ってもかゆみが収まらない時は水で薄めたお酢で洗ってみてください。
漢方薬では八味丸、牛車腎気丸、参苓白朮散などの処方にも入っています。
桃仁堂の薬膳すーぷの素にも入ってます。