生薬講座 ⑱烏梅(ウバイ)
青梅を薫製にしたものを生薬・鳥梅と呼び、名前の由来は薫製にした外皮が黒くなることからきています。
【漢方医学的には】
・肺の機能を回復させる(斂肺)
・腸の機能を回復させる(渋腸)
・唾液分泌を促し、身体に不足している水分を補う(生津)
・回虫を弱らせ、腹痛を緩和する(安蛔)
【西洋医学的には】
・クエン酸:エネルギー生産、疲労回復、代謝向上によるダイエット効果
・リンゴ酸:クエン酸を活性化、疲労回復効果、体内を弱アルカリ性に保ち代謝を上げる
・コハク酸:血行促進による冷え症改善や動脈硬化予防、脂質分解作用上げる
・酒石酸:活性酸素の発生を抑え、免疫力の向上に関係する
・オレアノール酸:利尿作用や虫歯予防に効果が期待できる
・ムメフラール:毛細血管の血流を促進する
まさに夏の暑さによる疲労回復、渇きに効果のある生薬です。
※夏にオススメな烏梅が入った飲料
【烏梅汁】
材料 烏梅5g 水500ml
作り方
① 水に烏梅を入れはじめ強火で沸いたら、弱火にして30分煮だします。
② 好みではちみつや砂糖で甘みを加えても良いです。
【酸梅湯】
材料 烏梅15g 甘草5g 山査子15g 水500ml 氷砂糖125g
作り方
① 生薬は水洗いした後、水と共に鍋に入れ火にかけ中火で1時間ほど煮ます
② ①に氷砂糖を加え弱火で煮溶かし、藩領になるまで弱火で煮詰め、ふきんで濾します。