不足しているのは気？血？水？ タイプ別おススメ漢方薬
漢方通信 ～漢方で健康美人になろう～ 2010.12月号
こんにちは♪桃仁堂の平部です。桃仁堂だよりも今月号で丸一年がたちました。そして平成22年も残すところ１カ月。本年も皆さまのご愛顧、誠にありがとうございまいた。
さて今月より少しずつ漢方薬のご紹介をしますね。だんだん寒さが増してきましたので、今回は冷えに効く漢方です！冷えは新陳代謝の低下を起こし、万病のもとになりかねません。また、体温が低いと酵素の働きが悪くなり、免疫が低下してしまいます。冷え対策には、身体を温める食材を努めて摂ることやお風呂で温まったり、腹巻の利用など、日頃のちょっとした積み重ねももちろん大切ですが、体質に合った漢方薬で体の芯から温め直しましょう！
「気」が不足 虚弱タイプの方は・・・
胃腸が弱い為、食物を消化吸収し、そこから新しいエネルギーを生み出す力が弱いタイプ。消化器官の動きが悪いせいで普段から便秘気味または下痢気味。消化にエネルギーを使うため食後眠くなったりという方も。水分の代謝が悪くむくみやすい方もいます。
■代表的な漢方薬：六君子湯（りっくんしとう）
■特徴：胃腸の働きを良くし、水分代謝を改善する作用があります。
■こんな方に:舌に白い苔がつく・立ちくらみ・疲れると背中が痛む
■コラム：本当は８種の生薬から構成されますが、６種の主要な生薬（君薬）を組み合わせているので六君子湯といいます。
「血」が不足 貧血タイプの方は・・・
体を循環する「血液」が少ない（血虚）のため、血液が悪くなり冷えてしまうタイプ。日頃から血虚のせいで細胞が酸欠気味なので疲れを感じることが多い。末端に血液が流れにくく手足が冷たく感じます。
■代表的な漢方薬：当帰芍薬散（とうきしゃくやくさん）
■特徴：血液を増やし、血流を改善することで徐々に温めていきます。
■こんな方に:顔色が白っぽい・疲れやすい・立ちくらみ
■コラム：武久夢二の美人画にでてくるような「なで肩・色白・柳腰」タイプを当芍（とうしゃく）美人と呼んでいます。
「気」の滞り イライラタイプの方は・・・
「気」の巡りが悪いため、冷えているのに部分的にのぼせの症状がでたりします。自律神経の調整がうまくいかず、末梢の血管が細くなり、血液の循環が悪くなります。また、変な汗をかいて体表が湿気を帯びている場合もあり、これが冷える原因になっていることもあります。
■代表的な漢方薬：加味逍遙散（かみしょうようさん）
■特徴：月経前症候群によく効きます。
■こんな方に:気持ちが不安定になる・イライラすることが多い・時間に追われたり、ストレスを感じる
■コラム：逍遙とはもともと「散歩」「そぞろ歩き」の意味。「気持ちが落ち着かず、何となくイライラして心がゆれる状態」を表しています。
