生薬講座 サンシュユ(山茱萸)
春の訪れを告げ、冬の寒さに耐える身体を支えてくれる生薬「山茱萸(サンシュユ)」をご紹介します。
春を彩り、秋に実る「黄金」と「珊瑚」
サンシュユは、早春に葉が出るよりも先に、木全体を包むような鮮やかな黄色の花を咲かせます。その美しさから「ハルコガネバナ(春黄金花)」という風雅な別名を持ちます。
一方で、秋になると一転して、つややかな赤い実をたわわに実らせます。その様子は「秋サンゴ」とも呼ばれ、古来より季節の移ろいを感じさせる植物として親しまれてきました。
生薬としてのちから:生命の「貯蔵庫」を補う
漢方の世界では、この秋の実(種子を除いたもの)を生薬として用います。主な働きは、生命力の源である「腎」を補い、体内の水分や精力を逃がさないように繋ぎ止めることにあります。
主な効能: 滋養強壮、頻尿の改善、足腰の冷えやしびれの緩和。
代表的な漢方薬: 高齢の方の健康維持に欠かせない「八味地黄丸(はちみじおうがん)」や、疲れ目にも用いられる「杞菊地黄丸」などに配合されています。
「最近、疲れが抜けにくい」「夜間のトイレが近くなった」と感じる方は、このサンシュユの力が助けになるかもしれません。





