生薬講座 ⑬桔梗
桔梗はキキョウ科キキョウ属の多年草です。
「秋の七草」のひとつで、6月~10月にかけて青紫色、または白色の5方向に裂けた鐘形の美しい花を咲かせます。名前の由来は中国語の「桔梗」が「キチコウ」と読まれ、それが転じ、「キキョウ」となりました。韓国では「トラジ」と呼びお茶として食材としてよく使われています。
- 咳や痰(たん)を抑制する効果
桔梗根にサポニンとよばれる薬用成分が含まれています。サポニンは適量を摂取することで、のどなどの気管の分泌液の分泌を促進し、痰を除く働きを持つため、鎮咳去痰薬として利用されています。咳や痰、のどの腫れや化膿などにも効果があるとされ、風邪薬などに他の生薬と合わせて配合されることが多くあります。
また桔梗根には抗炎症作用が確認されており、気道や気管の炎症を抑制する効果も期待されています。 - 腸内環境を整える効果
桔梗根に含まれる水溶性食物繊維であるイヌリンには、体内の老廃物を吸着して体外へ排出する働きがあります。また、腸のぜん動運動を活発にして、腸の内側をきれいにすることで腸の通りを良くします。 - 糖尿病を予防する効果
桔梗根に含まれるイヌリンは水溶性の食物繊維で多糖類であり、人の体にはイヌリンを分解する酵素が無いため胃や腸で吸収されませんので、血糖値の上昇を抑える効果があります。 - コレステロール値を下げる効果
桔梗根に含まれるサポニンの一種プラチコジンには、コレステロール低下効果が報告されています。
漢方では
止咳:咳を止める働き
去痰:痰を除くこと
排濃:皮膚で滞った水が熱を帯びた膿の排出を促す作用
一番シンプルな処方では桔梗湯があり、桔梗と甘草の二味から成ります。
使い方としてはのどの痛み+咳が出るときです。飲むときのコツはガラガラとうがいしてごっくんと飲み込みます。ぜひお試しください。