生薬講座 ⑰藿香(カッコウ)/パチョリ
カッコウ(藿香)は、シソ科のパチョリの地上部を乾燥したものです。パチョリは草丈1mほどの多年草のハーブで、東南アジアの標高900~1800mの地域に自生しています。紫がかった白い花を咲かせ年に2~3回収穫されます。
香りは土のような香りとか、墨汁のような香りと表現されることが多いみたいです。
カッコウの多くは水蒸気蒸留したパチョリ油として、香水の調合などに用いられます。
精油としては精神的に緊張が続いたり不安感が強い時などに、気持ちを落ち着かせる作用があると言われています。
またお香の原料として使われたり,香水にも広く使われています。
この香りに防虫効果があるため、インドではカシミヤやシルク製品の保管に利用されていました。
漢方的には、解暑、健胃、食欲不振、消化不良に用いられます。特に夏の感冒(かぜ)、頭痛、嘔吐、下痢などに用いられます。
漢方薬としては藿香正気散や香砂六君子湯、香砂平胃散などの処方に使われています。