生薬講座 ㉗当帰(とうき)
当帰はせり科トウキ属の根を乾燥したものです。
当帰の基本的な性質は身体を温める作用があり、月経不順、更年期障害、月経前症候群や冷え性、貧血などに効果があるとされています。
古くから婦人科の「聖薬」と呼ばれている当帰は中国医学では
【漢方にみる効果】
・補血(ほけつ)…血を補うこと
・調経(ちょうけい)…気の流れを整えること
・止痛(しつう)…痛みを抑えること
・潤腸作用(じゅんちょうさよう)…腸内を潤すこと
その他皮膚化膿症、打撲、皮膚の乾燥など広く使われています。
【漢方薬】
配合されている漢方処方は多く、当帰芍薬散、加味逍遙散、女神散、四物湯、婦人宝、当帰湯、紫雲膏など漢方薬の処方に多く含まれています。
当帰は豊富なビタミンEを含みます。血管や肌、細胞などの老化の予防、血行を促進します。また成分に含まれているミネラルの一種であるセレンは病気の抵抗力をつける働きがあると言われています。
【薬膳料理】
薬膳料理として
生理不順、冷え性、貧血、更年期障害など女性特有の諸症状に使うことができます。
鶏肉や羊肉を煮込んだスープに、当帰を煮出した液を足すスープなどはよく作られるお料理です。
【薬酒】
薬酒として
当帰150g、ホワイトリカー1リットルを良く洗った蓋つき瓶に入れ冷暗所にて保管します。1か月後、中味の生薬を取り出します。