気・血・水を知ろう ~漢方の基本 Part1~
漢方通信 ~漢方で健康美人になろう~ 2014.2月号
こんにちは!桃仁堂の伊藤です。 本年もどうぞよろしくお願い致します(^・^) あちこちで梅の花が咲き始めました。「梅一輪、一輪ほどの暖かさ」の俳句にあるように暦の移ろいを少しずつ感じさせてくれる今日この頃です。
暖かくなるにつれ寒い間に貯えたエネルギーを体が使い始めるため、新陳代謝が活発になります。また春は肝の陽気が高ぶるため、心も体もバランスを失い不安定になりやすい季節です。
寒暖の変化に気を付けて生活のリズムを調えるようにしたいですね・・・
そしていつもよりリラックスして、ゆっくり春を迎える準備をしましょう♪
さて、昨年は東洋医学の五臓の働きについてお伝えしてきましたが、今年は私たちの体の中を流れている「気・血・水」の働きと診断をテーマに致します。
東洋医学で言う「気血水」とはどんなもの?そして「気血水」に異常がおこったら、どのような病気になるのか?またそれにはどんな漢方薬が適しているのかなどを分かりやすくお伝えできればと思います。
今月は第1回目なので、それぞれの役割と働きについて、かんたんに触れてみましょう~
漢方では、「気」「血」「水」は体を構成する要素ととらえ、この三つの物質が体の中に過不足なく存在し、スムーズに巡っていることで各臓器や器官は正常に働き、心身の活動が営まれると考えます。
「気」とは、<元気の気><気力の気><気合の気>で、目に見えない生命のエネルギーです。
つまり、生体における精神的・機能的活動を「気」と呼びます。「血」と「水」は体を潤し、栄養を与える体液のことです。赤い色をしたものが「血」であり血液と同じと考えてよいでしょう。
無色の体液が「水」です。(中医学では「津液しんえき」とも言います)この三つの成分は、お互いに助け合い、コントロールし合い、関係し合いながら全身を巡っています。これはちょうどSL蒸気機関車の走るしくみに似ています。まず、燃料の石炭が水と合わさり、高温の蒸気が生まれます。
この目には見えない蒸気(気)がピストン(各臓器)を動かすので機関車が走れるようになるんですね!
このように「気血水」が滞りなく循環していれば健康でいられるとし、バランスが崩れると疾病につながります。