生薬講座 ㉒三七人参(さんしちにんじん)
三七人参はウコギ科のサンシチニンジンの根を指します。
三七人参はまたの名を「田七人参」「田三七」とも呼ばれています。
ウコギ科の薬用人参には漢方薬で有名な「朝鮮人参=高麗人参」、
「西洋人参」、「竹節人参」などがあります。そして今回ご紹介する
「三七人参」を含み、世界の四大人参と呼ばれています。
※私たちが普段目にすることが多い野菜の赤い人参はセリ科の植物でカロチンを多く含み薬用人参とは別のものです。
三七人参の栽培にはアルカリ性の土壌であること、湿度が高い、
雨量が豊富、年間の平均気温が約11度、
標高1200~1800メートルの地域が適しております。
また、三七人参は土に含まれる養分をしっかり吸い取り、
三年から七年と言う年月をかけて成長していくので、
いちど収穫した土壌は長い間栽培には使えないそうです。
三七人参の有効成分はサポニンです。
同じウコギ科の薬用人参の中でもその含有量は一番多く含まれています。
三七人参に含まれているサポニンには、血流をスムーズにし、
血管内に血栓が出来にくくする働き、過酸化脂質の生成を抑制し、
肝機能を高める効果が言われています。
その他、ビタミン類、フラボノイド類、アミノ酸、
食物繊維など有用成分が多く含まれています。
アミノ酸の一種である「デンシチ」は止血効果があるとされています。
【中医学では】
中医学で見ると、温める性質があり、「肝」と「胃」に働きます。
【効能】
散瘀止血・・・滞って流れが悪くなっている血流を改善、また止血する働き
消腫定痛・・・内臓の炎症や外傷による腫れを改善、
血流の流れが悪いことで起こる痛みを改善
三七人参の最大の特徴は止血効果と血流改善です。
三七人参は優れた薬効から古くから貴重な薬剤として珍重され、
金にも変えがたいほど貴重なものとして「金不換」と言われてきました。
現在日本では健康食品として売られております。
桃仁堂では商品名「三七プライム」として取り扱っております。